フィンランド留学1年目を終えて
2022年夏にフィンランドへ大学院留学に来て、もうすぐ約1年になります。この記事では、フィンランド留学や海外留学に関心のある方に向けて、わたしの実体験をお伝えしたいと思います。
大学院の年間スケジュール
わたしは2022年の8月秋に大学院へ入学しました。わたしの通うユヴァスキュラ大学では、1年が4セメスターに分かれています。
秋学期に第1・第2セメスター、春学期に第3・第4セメスターがあるよ!
以下は2022年度の年間スケジュールです。
・9月〜10月末まで 第1セメスター
・11月〜12月まで 第2セメスター
・12月半ば〜1月の2週目ごろまで冬休み
・1月〜3月中旬まで 第3セメスター
・3月末〜5月中旬/後半まで 第4セメスター
・6月〜夏休み
・9月 新学期
第3セメスターが少し長く見えますが、2月末〜3月の1週目にかけて「スキーホリデー (hiihtoloma)」という約1週間のお休みがあるためです。5月に第4セメスターの授業や試験を終え次第、学生は夏休みに入ります。
夏休みが3ヶ月もあるんだね!みんな何してるの?
「夏休み」といっても、多くの学生がサマージョブやインターンシップを探し、新学期が始まるまでに社会経験を積んでいます。現在わたしもインターンシップに取り組んでいるので、次回の記事でそのことについて書けたらいいなと思います。
週間スケジュール
大学院1年目のスケジュール 1年目は必修の授業が多く、修士課程での研究の基礎となる授業をたくさん履修しました。以下は、第1セメスターのわたしのスケジュールです。
オレンジとピンクの講義が必修、グレーの講義が必修のフィンランド語でした。 なんだか空白が多いようにみえますよね。でも「大学院生には自由時間がたくさんある!」というわけではありません!
授業外の時間は、予習と課題に追われていました😅 ほとんどの授業の前には予習のリーディングやグループワークが課されます。講義では、リーディングやグループディスカッションの内容に基づいて、さらにクラス全体でディスカッションをすることもあります。
予習と復習で1日が終わってしまうくらい、勉強で忙しいです...
さらに、講義後には「ラーニングダイアリー」という課題があり、予習リーディングや講義の内容、そして自分の経験をもとに短いエッセイのようなものを書いて提出しなければなりません。
この作業が、学んだことのアウトプットにつながって、講義内容に長期記憶にも役立ったよ!
講義の長さ
講義の長さについてですが、全ての講義が同じ長さというわけではありません。たとえば、火曜日と水曜日の必修の講義は、朝9時15分から11時45分までの3時間!
途中で1回の休憩を挟みますが、長時間の集中はかなり疲れます...。
また、修士課程の学生には、初歩レベルのフィンランド語の履修が義務付けられています。わたしはフィンランド語の勉強を続けたかったので、この次のレベルのフィンランド語の授業も履修しました。
心境の変化
大学院1年目の秋、わたしは落ち込んでばかりいました。クラスメイトの知識量の多さや経験値の高さに圧倒されて、自信をなくしていたからです。 他学生と自分を比べ、劣等感を感じることも多かったです。
グループディスカッションの課題を何度も読み、意見を準備していても、知識が豊富なセカンドマスター(すでに他大学で修士号を取得している)の学生の話力に圧倒されて、何も言えない時期が続きました。
人と比べちゃダメってわかってるけど...
また、ディスカッション中に「人の意見を遮って自分が話す」ことへの罪悪感もあり、自分の発言を始めることすら簡単ではありませんでした。
ドイツやスペインからきたクラスメイトたちは、お互いの意見に重ねるようにして話していましたが「人の話は最後まで聞く」という日本(わたしの母?)の教えもあり、話し始めるタイミングが全くつかめませんでした。
クラスメイトに「割り込んできていいからね?」と言われてもそれができずに発言0...なんていう日も多かったです。
さらに、少し完璧主義なところのあるわたしは、「この意見あってるかな?」と発言前に考えすぎてしまうところもあり、会話に乗り遅れることも多々ありました。
話し始めるタイミングすらわからない、でも何も意見が言えなくて「不真面目だ」とか「やる気がない」と思われるのは嫌...。そんな葛藤が続き授業に出るのが辛い日もありました。
どうやって乗り越えたの?
じぶんの「できない」や「苦手」を認める
まずは、自分のできない、知らない、苦手を認め、周りに助けを求めることから始めました。
それまでわたしは「バカにされたくない」という理由で人に弱みを見せないようにしていたので、これは簡単なことではありませんでした。
でも、思い切って以下のようなことを言ってみることにしました。
「今日の講義の〇〇について、実はあんまり知らないから教えてくれない?」「実はわたしみんなが話してるのを遮るのが苦手だから昨日発言しづらかったんだよね」
このように、自分が今どういうことに困っているのかを周りに知ってもらうことから始めたんです。
大事なことは、これを授業外のプライベートな時間でもやること。たとえば授業後のランチでは、クラスメイトとこのような話から始めることで、趣味やその他の話題も展開し、プライベートでの距離も一気に縮まりました。
「大学の外のわたし(性格や趣味など)」と知ってもらえたことで、自分の理解者が増えたような気がして安心感にもつながりました。
自分ができないことや苦手なことを潔く認めて、クラスメイトに「教えて」や「手伝って」をしっかり伝える。たったこれだけのことで、「何も発言しないと不真面目だと誤解されているんじゃないか」や「質問したら勉強不足だと思われるのでは?」といった不安な気持ちがなくなりました。
頼ることや助けを求めることは、弱みを見せることじゃないよ。
さらに、プライベートでの仲が深まったグループワークのメンバーが、お家に呼んでくれるようにもなりました。休日には一緒にお気に入りのアニメを見たり、クッキーを焼いたりするほど仲良しになり、今では一緒に旅行をすることもあります。
ほかにもたくさん心境の変化がありましたが、この一年を通して自分の中でもっとも大きく変わったのは、これだと思います。今後も「留学前にして良かったこと」など、留学お役立ち記事をかけたらいいなと思います。
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