フィンランド留学1年目を終えて
2022年夏にフィンランドへ大学院留学に来て、もうすぐ約1年になります。この記事では、フィンランド留学や海外留学に関心のある方に向けて、わたしの実体験をお伝えしたいと思います。
大学院の年間スケジュール
わたしは2022年の8月秋に大学院へ入学しました。わたしの通うユヴァスキュラ大学では、1年が4セメスターに分かれています。
秋学期に第1・第2セメスター、春学期に第3・第4セメスターがあるよ!
以下は2022年度の年間スケジュールです。
・9月〜10月末まで 第1セメスター
・11月〜12月まで 第2セメスター
・12月半ば〜1月の2週目ごろまで冬休み
・1月〜3月中旬まで 第3セメスター
・3月末〜5月中旬/後半まで 第4セメスター
・6月〜夏休み
・9月 新学期
第3セメスターが少し長く見えますが、2月末〜3月の1週目にかけて「スキーホリデー (hiihtoloma)」という約1週間のお休みがあるためです。5月に第4セメスターの授業や試験を終え次第、学生は夏休みに入ります。
夏休みが3ヶ月もあるんだね!みんな何してるの?
「夏休み」といっても、多くの学生がサマージョブやインターンシップを探し、新学期が始まるまでに社会経験を積んでいます。現在わたしもインターンシップに取り組んでいるので、次回の記事でそのことについて書けたらいいなと思います。
週間スケジュール
大学院1年目のスケジュール 1年目は必修の授業が多く、修士課程での研究の基礎となる授業をたくさん履修しました。以下は、第1セメスターのわたしのスケジュールです。
オレンジとピンクの講義が必修、グレーの講義が必修のフィンランド語でした。 なんだか空白が多いようにみえますよね。でも「大学院生には自由時間がたくさんある!」というわけではありません!
授業外の時間は、予習と課題に追われていました😅 ほとんどの授業の前には予習のリーディングやグループワークが課されます。講義では、リーディングやグループディスカッションの内容に基づいて、さらにクラス全体でディスカッションをすることもあります。
予習と復習で1日が終わってしまうくらい、勉強で忙しいです...
さらに、講義後には「ラーニングダイアリー」という課題があり、予習リーディングや講義の内容、そして自分の経験をもとに短いエッセイのようなものを書いて提出しなければなりません。
この作業が、学んだことのアウトプットにつながって、講義内容に長期記憶にも役立ったよ!
講義の長さ
講義の長さについてですが、全ての講義が同じ長さというわけではありません。たとえば、火曜日と水曜日の必修の講義は、朝9時15分から11時45分までの3時間!
途中で1回の休憩を挟みますが、長時間の集中はかなり疲れます...。
また、修士課程の学生には、初歩レベルのフィンランド語の履修が義務付けられています。わたしはフィンランド語の勉強を続けたかったので、この次のレベルのフィンランド語の授業も履修しました。
心境の変化
大学院1年目の秋、わたしは落ち込んでばかりいました。クラスメイトの知識量の多さや経験値の高さに圧倒されて、自信をなくしていたからです。 他学生と自分を比べ、劣等感を感じることも多かったです。
グループディスカッションの課題を何度も読み、意見を準備していても、知識が豊富なセカンドマスター(すでに他大学で修士号を取得している)の学生の話力に圧倒されて、何も言えない時期が続きました。
人と比べちゃダメってわかってるけど...
また、ディスカッション中に「人の意見を遮って自分が話す」ことへの罪悪感もあり、自分の発言を始めることすら簡単ではありませんでした。
ドイツやスペインからきたクラスメイトたちは、お互いの意見に重ねるようにして話していましたが「人の話は最後まで聞く」という日本(わたしの母?)の教えもあり、話し始めるタイミングが全くつかめませんでした。
クラスメイトに「割り込んできていいからね?」と言われてもそれができずに発言0...なんていう日も多かったです。
さらに、少し完璧主義なところのあるわたしは、「この意見あってるかな?」と発言前に考えすぎてしまうところもあり、会話に乗り遅れることも多々ありました。
話し始めるタイミングすらわからない、でも何も意見が言えなくて「不真面目だ」とか「やる気がない」と思われるのは嫌...。そんな葛藤が続き授業に出るのが辛い日もありました。
どうやって乗り越えたの?
じぶんの「できない」や「苦手」を認める
まずは、自分のできない、知らない、苦手を認め、周りに助けを求めることから始めました。
それまでわたしは「バカにされたくない」という理由で人に弱みを見せないようにしていたので、これは簡単なことではありませんでした。
でも、思い切って以下のようなことを言ってみることにしました。
「今日の講義の〇〇について、実はあんまり知らないから教えてくれない?」「実はわたしみんなが話してるのを遮るのが苦手だから昨日発言しづらかったんだよね」
このように、自分が今どういうことに困っているのかを周りに知ってもらうことから始めたんです。
大事なことは、これを授業外のプライベートな時間でもやること。たとえば授業後のランチでは、クラスメイトとこのような話から始めることで、趣味やその他の話題も展開し、プライベートでの距離も一気に縮まりました。
「大学の外のわたし(性格や趣味など)」と知ってもらえたことで、自分の理解者が増えたような気がして安心感にもつながりました。
自分ができないことや苦手なことを潔く認めて、クラスメイトに「教えて」や「手伝って」をしっかり伝える。たったこれだけのことで、「何も発言しないと不真面目だと誤解されているんじゃないか」や「質問したら勉強不足だと思われるのでは?」といった不安な気持ちがなくなりました。
頼ることや助けを求めることは、弱みを見せることじゃないよ。
さらに、プライベートでの仲が深まったグループワークのメンバーが、お家に呼んでくれるようにもなりました。休日には一緒にお気に入りのアニメを見たり、クッキーを焼いたりするほど仲良しになり、今では一緒に旅行をすることもあります。
ほかにもたくさん心境の変化がありましたが、この一年を通して自分の中でもっとも大きく変わったのは、これだと思います。今後も「留学前にして良かったこと」など、留学お役立ち記事をかけたらいいなと思います。
関連記事はこちらです↓
フィンランドの学生アパートで家具の手配はバッチリ!フィンランド語の家具用語集付き
フィンランドの学生アパートで家具の手配はバッチリ!フィンランド語の家具用語集付きフィンランドで学生アパートを借りるとき、家具が付いていない物件も多いでしょう。この記事では、入居までにどのように家具を手配するか、またどのようなサイトが利用できるのか、私の体験談も含めお伝えします!
【衝撃】家具はセカンドハンドが主流
日本で新生活を始める時、まずお世話になるのがニトリやIKEAなどの家具取扱店ではないでしょうか。手頃な家具・家電セットもあり、新品を購入する人も多いでしょう。 フィンランドでは、お店から新品を買うよりも中古品が主流なようです。
新入生にアドバイスをくれるチューターさんは、IKEAやSotkaなどの店舗よりもセカンドハンドショップをおすすめしてくれます。
サステナブルの精神が息づいてるんだね。
街には、いくつかのセカンドハンドショップがありますが、Facebookのセカンドハンドグループなどでやりとりをする人も多いようです。
毎年6月の卒業時に家具や家電を手放す人が多いので、そのシーズンには良いものが見つかりやすいと現地の方にお聞きしました。
覚えておくべき単語は、kirppis。セカンドハンド(=中古品)という意味です。
家具購入サイトは英語版なし!?
フィンランドは英語が通じるっていうし、IKEAのサイトなら当然英語版もあるよね...。 と思ったら大間違いでした!なんと、家具店のサイトで利用できるのはフィンランド語とスウェーデン語のみだったんです!
さすがにWebサイトを理解できるフィンランド語力はないよ...。
私はフィンランド語の先生におんぶに抱っこで注文できたものの、sänky(ベッド)など最低限の単語は覚えておくべきでした(汗)。身の回りのものだけでも、覚えておく価値ありです。
フィンランド語 家具用語集
IKEAなら、日本版サイトを先に見てからフィン語版にいくのもアリ!
Google翻訳ならページを丸ごと英語に
いくら単語を覚えても、限界はありますよね。私はGoogle翻訳に任せ、Webページを丸ごと英語に翻訳してしまいました!
時短裏ワザだね!
ChromeならGoogle翻訳も簡単です。くわしくはこちらのページを参考にしてみて下さい。
家具はどんな店舗で購入できるの?
私が利用したのは、大学院のチューターさんオススメのSotkaという店舗です。ほかにも、以下の家具店がよく利用されているようです。
- IKEA https://www.ikea.com/fi/fi/ 日本でもお馴染みのIKEA。街では実店舗も見かけますが、ショールームのような感じなので、実際に見た商品がその場で手に入るとは限りません。ウェブサイトからオンラインで購入するか、実店舗で注文→配送/受け取りという方法になります。
- JYSK https://jysk.fi/ ヘルシンキのショッピングセンターでもよく見かけます。フィンランド在住の方に、「寝具はIKEAよりもJYSKの方が良い」とのアドバイスをいただきました。
- Sotka https://www.sotka.fi/main.php 私がベッドを購入したのはこちらです。家具の入荷には少し時間がかかりましたが、デリバリーサービスは利用しやすく、予定した日時に配達してもらえました。
【注意】配達は配送料がかかります。
【重要】いつ購入する?
フィンランドへの交換留学生や学位留学生は、8月後半からのオリエンテーションに向けて、夏に渡航する場合が多いと思います。 私は、学生アパート入居日に配達してもらえるよう、7月中旬ごろにネットで家具を注文していました。渡航前に日本で注文→フィンランドのアパートへ入居して受け取り、という流れです。
家具なしアパートの場合は、この方法がオススメです!
家具の入荷までの期間に注意
日本の感覚だと、商品の納期にそれほど時間もかからないような気がしますよね。8月の1週目に学生アパート入居予定だった私も「7月末にはオーダーすればいいや〜」とのんきに構えていました。
ところが!現地在住の方からありがたい+ショッキングな助言が。「納品までは、休業日を除いて14〜21日はかかるよ。それに今はコロナ禍でより時間もかかるからはやくしないと入居に間に合わないよ」(...と、教えていただいたのは、すでに7月13日!) 大急ぎでその日のうちにネットでベッドとマットレスを注文しました!
無事に入居日までに家具を配達してもらうことができて、一安心です。
買い忘れたくないもの
私は完全に注文を忘れましたが、8月のフィンランドはすでに肌寒い日も多いです。掛け布団やブランケットの注文も忘れずに!!!
留学先のユヴァスキュラでは、8月の1週目にすでに革のジャケットやセーターを来ている日もありました。ヘルシンキに比べると、かなり寒いと感じます。
渡航前に行き先の気候をチェック!
メールやSMSで連絡を頻繁に取ろう
私の利用したSotkaは、配達サービスも行っており「入荷したらメールでお知らせするね」とのことでした。 しかし、フィンランドに渡航する日になっても一向に連絡が来ず...。
焦ってこちらから確認メールを送りました。すると、なんとカスタマーサービスから次のように返ってきました!
We can deliver your bed tomorrow if U want. Around 2 to 8 pm. I cant say exact time, but the delivery guys will send u message about time when they will come. Is tomorrow okay to you? (あなたがよければベッドは明日配達できるよ。午後2時から8時くらいね。正確な時間は言えないけど、配達員がそっちにつくときメッセージ送るよ。明日で大丈夫?)
というわけで、無事にベッド配達の連絡を取ることができました。フィンランドでは、こちら(カスタマー)側からつつかないと、注文や配達の確約はとれないようです。
自分の意思をはっきり伝えることが大事なんだね!
まとめ
以上が、現地学生によるフィンランドでの家具購入事情でした。フィンランド留学に関心のある方は、こちらの記事もぜひ読んでみてくださいね↓↓
【感想】フィンランドの伝統楽器「カンテレ」を体験!
2022年12月末に、フィンランドの伝統楽器「カンテレ」のレッスンを受講しました。この記事では、カンテレについての基礎知識やカンテレにふれた感想をお伝えします。
日本では北海道などで演奏活動が盛んなようですが、もっと多くの方にこの楽器を知っていただけたらいいなと思います。 また、記事の後半ではフィンランドのカンテレミュージアムもご紹介します。お楽しみに!
カンテレってどんな楽器?
カンテレは、フィンランドの伝統的な撥弦楽器です。ツィター(オーストリア・ドイツ・スイスなどを中心に弾かれている弦楽器)に似た形状で、フィンランドのでは国の楽器として位置付けられています。
国の楽器ってことは、フィンランド発祥なの?
ユヴァスキュラのカンテレ博物館の館長さんによると、フィンランド周辺のロシアやラトビアなどにも似た楽器があり、どこの国のものが起源なのか正確にはわからないそうです...。
例えば、ロシアの「グースリ」やラトビアの「コォクレ」は見た目がよく似ています。 起源についてはよくわかっていませんが、カンテレはフィンランドの民族叙事詩「カレヴァラ」の中にも登場しており、「フィンランドの楽器」というイメージが浸透しています。
カンテレの種類
カンテレには、弦の数が異なるさまざまな種類があります。もともとは5弦の小さな楽器で、ソロ楽器というよりは歌や踊りの伴奏用に使われていたようです。
改良を重ねて、弦の本数や形状が異なるモデルがたくさん生まれたよ!
5弦〜19弦のカンテレはPieni Kantele (小型カンテレ)、それ以上の弦を持つものはIso Kantele (大型カンテレ)に分類されます。
小型カンテレ
5弦〜19弦の小型カンテレは、膝または机に乗せて演奏します。少し大きめの10弦以上のカンテレの中には、ストラップ付きでギターのように肩からさげて演奏できるものもあります。
今回私がレッスンを受講した先生は、赤色のボディがかっこいいストラップ付きカンテレをお持ちでした。憧れます...。
私は全くの初心者だったので、まずは一番基本的な5弦カンテレのレッスンをしていただきました。たった5本しか弦がないのに、想像以上にいろんな曲を演奏できることがわかり、驚きました。
伝統楽器ってシンプルだけど奥が深い!
小型カンテレ(5弦)のレッスン
まず、基本的なC、F、G(Ⅰ・Ⅳ・Ⅴの和音)のコードの押さえ方を習いました。左手の指でコードを押さえ、右手の指でジャン!とかき鳴らすように弾きます。
基本の3つのコードがマスターできれば、多くの歌の伴奏ができます!
メロディーの弾き方ですが、これは少し苦労しました。私は普段ハープを弾くので、その癖がでてしまい、奏法の違いに慣れるまでに時間がかかりました。
カンテレは、「弦をはじく」というより「指で弦の上をスライドして次の弦で止める」という感覚です。この優しいタッチが、あの優しくて神秘的な音を紡いでいることがわかりました。
即興せよ!?
カンテレの曲では、繰り返しの際にリズムやメロディーを即興で少しずつ変えて自分の演奏を作ることが大事なようです。 私はこれまでクラシック音楽(ピアノ・声楽)に親しんできたので、あまり即興演奏に慣れていませんでしたが、同じコードの中で自由にメロディーを作ることは本当に楽しかったです。
また、基本「楽譜通り」のクラシック音楽とは違い、最初は楽譜を使わず先生の演奏を耳で聴く→まねるの繰り返しでした。古い伝承曲には楽譜がない曲も多いので、これが一番本来に近い伝統音楽のレッスンなのかもしません。
先生の演奏に集中!視覚や聴覚が研ぎ澄まされるような感じがしたよ!
大型カンテレ
20弦以上あるカンテレは、大型カンテレに分類されます。今回私がレッスンで弾かせていただいたのは、大型カンテレの一つである「コンサートカンテレ」。38~39弦のものが一般的なようです。
↑コンサートカンテレのレッスンの様子です。
大型カンテレは箱形になっていて、シンプルな板に弦を張っただけの小型カンテレより大きな音が出ます。小型カンテレでは叶えられなかった、深い低音や輝くような高音を楽しめるところも魅力的です。
このサイズだと、さすがにもう膝には乗らないよね...?
大型カンテレは、机の上に乗せて演奏します。また、大きな特徴として、響きを消すための消音板がついています。
ミュート板やダンピングボードと呼ばれているよ!
大型カンテレは弦が増えた分、たくさんの音が重なり合って「もわ〜ん」というサウンドが生まれやすくなっています。それを解消するために消音版が開発されたんですね。
この消音版をメロディー+伴奏と同時操作するのは、初心者の私にはとっても難しかったです。いつか、クリアな音が出せるようになりたいです。
大型カンテレ(コンサートカンテレ)のレッスン
レッスンではコンサートカンテレ(半音階調整用レバー付きの大型カンテレ)を弾かせていただきました。まずは、基本の手の構え方、そして「となりの弦へ指をスライド→スライドした弦で指を止める」の基本の動きを練習しました。
コンサートカンテレの弦の音はこんな感じです↓ その後、可愛いイラスト付きのテキストに沿って、少しずつメロディーを弾く練習をしました。意識していないと、ハの字にした腕のフォームがすぐに崩れてしまい、なかなか難しかったです。
クラシックの奏法では腕をハの字、フォークの奏法では腕をまっすぐにするよ!
レッスンが進み、メロディーや伴奏...と同時に鳴らせる音が増えるにつれて、あの「もわ〜ん」を解消しなければならなくなりました。
そこで教えていただいたのがフィンガーミュート。1音弾く→次の音を弾く直前に弾いた音を指で止めて消す、という奏法です。
メロディーを「消しながら」弾くって難しい...。
カンテレの演奏は、同時にやらなければならないことが想像以上に多く、頭をたくさん使う楽器だと思いました。一曲演奏できるまでには、相当な練習時間を要すると思います。
でも、こんな素敵な音の楽器だったらいつまでも練習していたい!と思いました。
指に〇〇ができた!?
カンテレはスチール弦のためでしょうか、レッスン終了数時間後に、右手の人差し指にマメができていることに気づきました。はじめてギターに挑戦して、指にマメを作った日のことを思い出します...。
マメは少し痛かったですが、私が普段弾いているハープのナイロン弦と金属製の弦との感触や音色の違いを楽しむことができました。
ユヴァスキュラのカンテレミュージアム
カンテレに少し興味が湧いてきましたか?カンテレの歴史や楽器についてもっと知りたいという方は、フィンランドのカンテレの博物館を訪れてみてはいかがでしょうか。
私の住むフィンランドのユヴァスキュラには、カンテレミュージアムがあります。2022年夏に訪れた際、館長さんが英語で丁寧にカンテレの歴史を説明しながら、館内を見せてくれました。
様々な種類のカンテレ、そしてフィンランド近隣国のカンテレの仲間にも出会えるよ!
ユヴァスキュラのカンテレミュージアムは、予約制の開館のようです。12月初旬から1月の初旬までは、クリスマス休暇のため休館となっているようです。
ミュージアムでは、館長さん自らコンサートカンテレの演奏も披露してくださいました!実は、私がコンサートカンテレの音色を聞いたのはそれが初めてでした。 その演奏がとても素敵でした。カンテレの音色と曲の美しさに、両目から感動の涙が止まりませんでした。こんなことはめったにないのですが...。
その時に演奏していただいたのが、Iltakaste Ilomantsissa (イロマンツィの夜露/夕映のしずく)。フィンランドの作曲家ハンヌ・スルヤラハティによるロマンチックな作品です。 ぜひ聞いてみてください↓ 演奏の様子がわかりやすいのはこちら↓
そのほかにも有名なカンテレの演奏家について知りたい方は、こちらもチェックしてみてくださいね!
まとめ
今回は、フィンランドの伝統楽器カンテレの体験談をお伝えしました。日本ではまだまだ見る機会の少ない楽器だと思いますが、本当に魅力的で奥が深い楽器なので、より多くの方に興味を持っていただけたら嬉しいです!
私は現在、フィンランドで大学院生をしています。フィンランド留学に関心のある方はこちらの記事もぜひお読みください↓
フィンランドの冬の伝統スイーツ「ラスキアイスプッラ」って何?
最近、フィンランドなどの北欧諸国の食べ物がメディアに取り上げられることが増えてきましたよね。ところで、みなさんはSNSなどで「ラスキアイスプッラ(スウェーデンではセムラ)」と呼ばれる、シュークリームのような見た目のスイーツを見たことがありますか?
この記事では、フィンランドで1月から2月後半にかけて食べられる伝統スイーツ、ラスキアイスプッラ(laskiaispulla)をご紹介します。なんだか難しい名前のスイーツですが、この記事を読めばこのかわいいスイーツにもっと詳しくなれること間違いなしです!
ラスキアイスプッラとは
どんなスイーツ?
ラスキアイスプッラは、カルダモンというスパイスがしっかりきいたパンにクリームやアーモンドペーストを挟んだ、フィンランドの伝統的な菓子パンです。見た目は、シュークリームに似ています。
↑こちらはおすそ分けでいただいたラスキアイスプッラです。
ラスキアイスプッラは、20世紀初めにスウェーデンから伝わったとされ、フィンランドでは、年が明けるとベーカリーやカフェ、スーパーマーケットに登場します。
日本がバレンタインのチョコレートで盛り上がる頃、フィンランドではこの可愛らしいラスキアイスプッラが人気者になるようです。
バリエーションもたくさん!ジャムが入っているのもあるよ。
バリエーションについてですが、スウェーデンで発祥したオリジナルのものには、アーモンドペーストが使われたとされています。フィンランドに伝わった時に、当時のフィンランドでは高価だったアーモンドペーストがジャムに置き換えられたという説があるようです。
私も今シーズンはカフェで大きめのラスキアイスプッラをいただきました。クリームが重めで、バンズもしっかりしていたので、食後はランチもディナーもスキップしました(笑)。胃には大きなダメージでしたが、クリーム好きにはうれしいデザートです!
お気に入りのカフェESPRESSO HOUSEにて💕
名前の由来
ラスキアイスプッラ...ひと目見ただけではなかなか読めない名前ですよね。名前には、特別な意味があるのでしょうか?
らすきあいす...噛みそうだ〜
「プッラ」はフィンランド語で甘いパンのことを指し、「ラスキアイス」はキリスト教の四春節の前日を意味する「ラスキアイネン(laskiainen)」を指しています。
四旬節(しじゅんせつ、ラテン語: Quadragesima、英語: Lent)または大斎節(だいさいせつ、レント)は、カトリック教会および保守的なプロテスタント宗派の典礼暦(教会暦)において、復活祭の40日前の水曜日(灰の水曜日)から復活祭の前日(聖土曜日)までの期間を指す用語である。出典:Wikipedia
ラスキアイスプッラは、キリスト教の伝統と深い関係があったんですね。次のセクションでもう少し詳しくみてみましょう!
ラスキアイスプッラはいつ食べる?
フィンランドで1月から2月にかけて見られるラスキアイスプッラ。でも、実は「ラスキアイスプッラを食べる日」とされている日があるようです。
大学のフィンランド人の先生が教えてくれました!
伝統的な四旬節では、自分自身への節制として断食が行われてきました。現在のフィンランドでは宗教の側面が薄れてきていますが、断食前に高カロリーな甘いパンを食べる習慣が今でも残っているそうです。
2023年は、2月19日がラスキアイス日曜日(laskiaissunnuntai)、2月21日がラスキアイス火曜日 (laskiaistiistai)とされ、この日にラスキアイスプッラを食べる習慣があるそうです。 私はラスキアイス日曜日に、合唱団として教会のミサに参加しました。ミサでの演奏後、教会からラスキアイスプッラとコーヒーを振る舞っていただきました。
どこで手に入る?作り方は?
ラスキアイスプッラは、スーパーマーケットやベーカリーなどで購入することができます。また、この時期には自家製のラスキアイスプッラを焼く人も多く、私もおすそ分けに預かりました。
またフィンランドでは、通常のラスキアイスプッラに加え、乳製品などを使用していないヴィーガン向けのラスキアイスプッラを扱っているお店もあります。
フィンランドでは、ベジタリアンやヴィーガンなどのオプションが充実しているんだね!
1〜2月にフィンランド/スウェーデンを訪れる方は、こちらで紹介されているカフェに行ってみるのはいかがでしょうか?(スウェーデンの「セムラ」が食べられるカフェも紹介されています!)
編集部が実際に北欧で食べたセムラ/ラスキアイスプッラ お勧めカフェまとめ♪
気になるラスキアイスプッラの作り方ですが、こちらの素敵な動画で紹介されています!↓
他にもこんなレシピがあるようですよ!ぜひチェックしてみてください↓
フィンランドの本場レシピ!ラスキアイスプッラを作ろう|美味すぎる2月の北欧スイーツ
まとめ
この記事では、フィンランドで新年から2月後半にかけて食べられる伝統菓子、ラスキアイスプッラをご紹介しました。フィンランドに訪れる機会がありましたら、ぜひ味見してみてください!
また、フィンランドにいらっしゃる機会がない方も、おうちでラスキアイスプッラ作りに挑戦されてみてはいかがでしょうか?北欧の冬気分を味わあえること間違いなしです!
フィンランド生活に関心のある方は、ぜひこちらもお読みください↓
フィンランドの文系大学院生の学生ライフを紹介!1日の流れはどんな感じ?
北欧フィンランドは、最近日本でも人気の高まっている国ですよね。旅行や留学を考えている方も多いのではないでしょうか。この記事では、フィンランドのユヴァスキュラ大学(University of Jyväskylä)へ大学院留学中の私の学生ライフをご紹介します。
文系大学院生の1日
私は2022年秋から、言語学習や異文化コミュニケーションを専門的に勉強するプログラムで、修士課程をしています。9月から大学院生生活がスタートし、10月末に第1ピリオド(1年が4つのピリオドに分かれています)が終わりました。
現在は新しい学期に入り、クラスメートや生活リズムの変化に少しずつ慣れてきています。日照時間が短くなってきたのがひとつの懸念点。さらに気温は11月初旬ですでに0℃!かなり寒いです。
秋冬の朝は真っ暗で、起きるのにも一苦労...
平日の主な流れをグラフにしてみました。
グラフでは11時ごろ就寝となっていますが、実際には深夜12時を超えてしまうことが多いです。授業外学習に結構時間が取られ、入学当初はまったく趣味の時間が取れませんでした生活リズムが掴めてくると、少しだけ余裕が出てきますが、試験前や課題の締切前は、パソコンの前から動けません。
講義の様子
私のスケジュールでは、講義は最高でも1日で2コマです。日本の大学とは違い、「1コマ=〇〇時間」と決まっているわけではありません。授業によって開始時間や授業の長さが異なります。私の受講している朝の講義は9時15分から始まるものが多いですが、友人は8時台に始まる授業を受講しており、早朝の霧の中を登校しています...。
11月のユヴァスキュラは、朝8時でもまだ暗いよ...
大学にはキャンパスが複数あり、建物の様子もキャンパスごとに違います。私はOld Campusと呼ばれているキャンパスでの講義が多いのですが、まるで博物館のような講義棟、教室の雰囲気が大好きです。
↑お気に入りの講義室
ユヴァスキュラ大学に関心のある方は、こちらから大学のホームページにアクセスできます。英語またはフィンランド語にはなりますが、ぜひ見てみてください! 大学の紹介動画はこちら↓↓
昼食
昼食時には、主に学生レストランへ行きます。ユヴァスキュラ大学には、学生レストランが複数あり、毎日メニューも変わるので飽きが来ません。お値段は2.70ユーロから3.20ユーロ(2022年11月現在で460円ちょっと)へ値上がりしましたが、種類豊富な野菜やヴィーガンのオプションもあり、毎日充実したランチがいただけます。
これは、とある日の学生ランチです。↓
日本だと1000円近くしますよね...。
人参やビーツなど、カラフルな野菜が多く、彩りも鮮やかです。調理方法はいろいろですが、毎日必ずジャガイモの付け合わせがあるところには、さすがフィンランド!と思わされます。私のお気に入りは、小さなジャガイモとローズマリーを一緒に焼いたもの。とってもいい香りで大好きです。
フィンランドでは外食がとても高いですが、学生レストランの値段設定は、学生には優しいです。毎日お昼頃には、どのレストランにも長蛇の列ができています。
予習
勉強は図書館やカフェ
私のタイムテーブルを見て「予習が多いな...」と思った方もいるのではないでしょうか?大学院の講義では、講義前に課題リーディングが課されます。さらに、授業を振り返るLearning Diary (学習日記)などで復習をする課題も出されるため、一日中勉強しているような感じになります。
リーディングには、主にiPadのアプリGoodNotesを利用しています。長い論文をいくつか授業前に課されることがあるので、要点を絞って効率よく読む必要があります。iPadユーザーの方で、論文を読むアプリをお探しの方は、こちらからGoodNotesの詳細を見てみてください。 入学したばかりの頃は、このリーディング課題が本当に大変でした。ですが、アプリの活用や同じ大学院生の方の勉強方法をSNSなどで参考にしながら、少しずつ自分にあった学習方法を身につけました。
こんな面白い課題も
講義で出される課題は、リーディングだけではありません。私はフィンランド語の授業を受講しているのですが、課題として「カフェやバーなどでフィンランド語で注文してみる」というものや「スーパーマーケットに行って食べ物の棚や商品の写真を撮り、写真の中のフィンランド語から食べ物の名前を覚える」などの実生活に密着した課題も出ました。
リーディングやライティングだけでなく、日常生活の中で学びを活かせる課題を出してくれるところが素敵だね!
私がよく自習時に利用するのは、図書館です。ユヴァスキュラ大学の図書館は、黄色のアクセントがきいた、モダンな雰囲気の図書館です。中にはソファや個人で予約できる学習室、さらにパソコンも多くあり、毎日多くの学生で賑わっています。 学習室は、だいたいいつも予約枠が埋まっており、熱心な学生さんが多いことがわかります。グループワーク用の3〜4人で使える学習室もあり、オフィスのようなデザインが素敵です。
自分の部屋よりも集中力&モチベーションが上がるよ!
また、気分を変えたい時には、街のカフェを利用します。コーヒーの消費量が多い国とはいえ、コーヒーが安いわけではありません。でも、フィンランド語でコーヒーを注文するのはとても良いスピーキングの練習になるので、週に1回以上はカフェで勉強しています。
この日はチョコレートおまけしてもらえました!
まとめ
この記事では、フィンランドで文系大学院生をしている私の日常の一部をご紹介しました。今後の記事では、講義の紹介や、フィンランド語学習体験を書いていきたいと思います! 最後まで読んでいただきありがとうございました。
【体験談】フィンランド大学院のインターナショナル・マスター・プログラムとは?
この記事では、フィンランドにあるユヴァスキュラ大学の英語で行われる修士課程、Internatioanl Master's Programme (インターナショナル・マスターズ・プログラム)をご紹介します。
フィンランド留学や大学院留学に興味のある方におすすめの記事です!フィンランドにいながら、英語で様々な国や地域出身の学生と共に学べる、そんな面白い環境での体験もお伝えできたらいいなと思います。
それでは、最後までお楽しみください!
フィンランドの大学院
フィンランドって憧れるけど、フィンランド語できないし留学は難しいかな...?
と、私も最初は思っていました。ですが、フィンランドには英語でできる修士課程がある大学がいくつかあり、フィンランド語がほとんどできなくても英語力を活かして勉強・研究できる環境があります。私の通うユヴァスキュラ大学もその一つです。
12月のユヴァスキュラ大学。雪に覆われています
インターナショナル・マスター・プログラムとは
ユヴァスキュラ大学では、フィンランドにいながら英語で修士課程ができるInternational Master Programmeがあります。大学の6つの学部には、英語で行われるプログラムが15種類以上あり、多様な国から集まる仲間と共に学び、研究することができます。
私の所属するプログラムには、日本(私)、スペイン、中国、フィンランド、ロシア、パキスタン、ネパール、スリランカ、パレスチナ、アメリカ出身の学生がいて、フィンランドにいながらもインターナショナルな環境で学ぶことができます。
フィンランド人の学生も、もちろんいるよ!
ユヴァスキュラ大学では、教育やビジネス、スポーツや人文科学など幅広い分野で修士レベルの勉強・研究ができます。以下は、大学の6つの学問分野です。
Educational sciences
Sports and health sciences
Mathematics and natural sciences
Information technology
Business and economics
Humanities and social sciences
どんなプログラムがあるの?
ユヴァスキュラ大学の15種類以上のInternational Master’s Programmeでは、さまざまな分野の修士課程を英語で行うことができます。どんなプログラムがあるか、その一部をご紹介します↓
International Master’s Programme (2022年度現在)
最新の研究手法と実験設備を用いて、生物・環境科学における科学的な疑問に答え、実践的な問題を解決することを学ぶプログラム。水生科学や生態学・進化生物学などの専門分野を選択することも可能で、学習計画をカスタマイズすることができる。
HP:Biological and Environmental Science
脳化学とデータサイエンスの両方の分野において深い知識を持つ研究者や、精神、脳、病気といった人間が直面する複雑な問題を調査/研究する専門家を育てる学際的なプログラム。
HP:Brain and Data Science
環境に焦点を当てながら、企業の持続可能性の専門家を目指せるプログラム。学際的なアプローチによって、卒業生はビジネス生活の中で環境問題に対処できることを目指す。
HP:Corporate Environmental Management
グローバル化した世界での多様な場面で教育の質を高めることができる、国際的指向の教育者を目指せるプログラム。学生は、教育における国際的な問題の特定の意識と教育の分野の広い理解を得ることができる。
HP:Educational Sciences
他にも、スポーツサイエンスや言語とコミュニケーションといったプログラムがたくさんあるので、気になる方はぜひ大学のホームページでご自分に合ったプログラムを探してみてください!
ユヴァスキュラ大学のInternational Master’s Programmeはこちら
【私のプログラムを紹介】
ここまでいくつかのプログラムを紹介してきましたが、ここで私が現在学んでいるプログラム「Language, Globalization, and Intercultural Communication(以下LAGIC)」をご紹介します。
LAGICとは
LAGICは、①グローバル化する世界における応用言語研究と②現代の異文化間コミュニケーションにおける問題に焦点を当てた、2年間の学際的なコースです。
プログラムでは、多言語主義、ディスコースと権力、メディア、移民などの言語とコミュニケーション関連の問題、そして異なる文化的背景を持つ人々がお互いにどのように相互作用するかを、様々な理論・事例をもとに研究します。
LAGICは、こんな疑問を追究・研究したい人におすすめのプログラムです。
・言語と文化は社会でどのような役割を果たしているのか
・メディア、ディスコース、権力はどのように結びついているのか
・言語学習とアイデンティティの問題を人々にどう理解されているのか
なぜLAGICを選んだのか
私がなぜLAGICを選んだのかを、少しだけお話しします。
日本にいた頃、私の周りには「〇〇人はXXだ」のような決めつけをする人が多くいました。もちろん、私もその1人でした。でも、大学3年の時に受講した「異文化コミュニケーション」の授業を通して、見た目や国籍に基づいた判断をする/されることに違和感を覚えるようになりました。
「〇〇人はXXだ」のような決めつけや思い込みはどこから来るのか。なぜ私たちは個人を見ようとする前に、国籍や見た目、言語といった情報に基づいて人をジャッジしてしまうのか。この疑問から、テレビなどのメディアが作り出す「外国人ステレオタイプ」(⇦私の卒業論文のテーマでした)に関心を持ち、ステレオタイプや文化的アイデンティティに興味を持つようになりました。
学部で興味を持った分野を、より極めようと思ったんだね!
これが、異文化コミュニケーションの分野を選んだ、最も大きなきっかけです。また、私は大学2年時までクラシックの声楽を専攻しており、イタリア語やドイツ語などの外国歌曲を歌っている時から言語や文化に関心がありました。そのため、異文化コミュニケーションだけでなく、言語研究にも触れられるプログラムであるLAGICを選びました。
さらに、長い間趣味として続けてきた英語学習やインターナショナルスクールで働いていた経験から、言語教育にも大変関心があったので、LAGICの内容が自分にぴったりだと思い、このプログラムを選びました。
どのような授業があるのか、次回の記事でより詳しくご紹介できたらいいなと思います。LAGICが気になる方は、こちらからウェブサイトにアクセスできます!
学費
「フィンランドは学費が無料」という話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。残念ながら、2016年よりEU圏外の学生は学費を払わなければならなくなりました。
私のプログラムの学費は、年間8,000ユーロ(2022年12月時点で1,125,878円)です。プログラムごとに若干学費は異なりますが、ユヴァスキュラ大学のInternational Master's Programmeでは8,000ユーロ〜12,000ユーロとなっています。
学費、安くはないよね...。大学からの奨学金はあるのかな?
たしかに、学費は安くはありません。ですが、大学からの奨学金を受けられる可能性もあります。入試の成績上位者は、学費が全額または50パーセント免除される特典があるため、希望を捨てずに挑戦してほしいです。
インターナショナルプログラムの魅力
ここからは、International Master’s Programmeの魅力をさらにお伝えしていきたいと思います!2年間の修士課程のうち、まだたった4ヶ月目ですが、私が素敵だと思うのは以下の点です↓
多様な価値観に出会える
前述の通り、私のプログラムにはおよそ10カ国から学生が集まっています。大学のホームページで「100+ NATIONALITIES」とうたっているように、大学全体で見てもかなり多様な国からやってきた学生に出会うことができるんです。
グループワークや普段の交流を通して、クラスメートから新しい物の考え方や知識を学ぶことができるよ!
日本にいる頃、真面目な性格な私は「こうであるべきだ」や「これは普通じゃない」といった考え方に陥りやすいタイプだったのですが、ユヴァスキュラ大学に来て様々な学生と交流するうちに「こういう考え方もあるんだな」と違う角度からの考え方や他者の意見を聞けるようになりました。
お父さん・お母さんも学生!?
また、これはフィンランドならではだなぁと思うのですが、2歳から5歳程度のお子さんを持つお父さん、お母さんも修士課程をしていらっしゃいます!私のプログラムにも数人のお母さんと1人のお父さんがいます。親目線で意見を言ってくださるので、ディスカッションではいつも彼らの話から多くの学びを得られます。
みなさん様々な国や文化圏で子育てをしてきた人たちなので、日本やフィンランドとはまた異なる教育方法についていろいろ聞くのは面白いです!
さらに、自分の会社を運営しながら修士課程をしていたり、働きながら大学に通っている人も多いです。生きてきた環境や人生経験がみんな少し/大きく異なるので、このたった4ヶ月の間に授業以外で学んだことがたくさんあります。
この4ヶ月で、他学生との「異」だけでなく、意外な「共通点」もたくさん見つかりました。正直、留学前にはネガティブな印象を抱いていた国はあります。でも、実際にその国や地域から来た学生と共に生活をすると、いかに私の「思い込み」が大きかったかを実感できました。
ネガティブなステレオタイプがなくなるって、いいことだね!
多様な英語に出会える
日本にいる頃は、「英語」といえばアメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語、カナダ英語…、のように枠にはめて考えていました。あたかもこの数種類しか英語が存在しないかのような、そんな錯覚に陥っていたんです。
ユヴァスキュラ大学で様々な学生と出会って、世界ではいかに多様な英語が話されているのかを知りました。多様なアクセントはもちろん、使うボキャブラリーや文法も少しずつみんな違います。
英語は「どこかの国」が所有するのものじゃなく「みんなのもの」だと実感しました
日本で英語を学んでいる頃、「完璧な英語」や「ネイティブな英語」という言葉に囚われがちでした。たしかに、スムーズなコミュニケーションにはクリアな発音や正確な文法が必要です。でも、そこにばかり囚われていては、自分の意見を発信しにくくなる気がします。
また、近年よく見る「ネイティブ」へのこだわりは、いわゆる「英語圏」以外の人の英語を少し見下す態度に繋がりかねないと思います(こういう「言語とイデオロギー」関連のこともLAGICで学びます)。過去にイギリス英語に傾倒していた私にも、そういう態度がなかったとは言えません。
人が国境を超えて移動できる現代は、日本でも海外でも、様々な「英語話者」と一緒に働く可能性が誰にでもあると思います。International Master’s Programmeは、アメリカ英語やイギリス英語だけでなく、世界中の多様な英語に触れられるすばらしい選択肢だと思います。
教授陣も多国籍
ユヴァスキュラ大学では、学生だけでなく教授陣も多様なバックグラウンドを持っています。私のプログラムには、フィンランド、ドイツ、エストニア、ベルギー、ロシア出身の先生方がいて、個性豊かで本当に面白いです。
世界中に友達ができる
ユヴァスキュラ大学には、短期の交換留学生もたくさんいます。それは、たくさんの出会いと別れを意味するのですが(涙)、同時に多くの友達を作るチャンスがあるということです。
私はこの秋学期に、ドイツから交換留学に来ていた女の子ととても仲良くなりました。はじめは同じ授業のグループワークで一緒になり、ランチを一緒に食べたりするうちに、休日に一緒に映画鑑賞やお菓子作りを楽しめるまでの仲になりました。
クリスマスクッキーを一緒に作りました!
勉強や趣味のことを遠慮なく質問したり語り合ったりできる友達がいると、モチベーションにもつながったよ!
彼女はもうドイツに帰ってしまいましたが、今度ドイツのおうちに遊びに行くことになりました。このように、「フィンランドを去る交換留学生の友人に会いに行く」という目的ができれば、外国を訪れるきっかけにもなります。
もともと、フィンランド滞在中にドイツに行く予定はありませんでしたが、彼女に出会えたおかげでドイツを訪れるというチャンスを手に入れることができました。こういう出会いがあるのも、留学の醍醐味だと思います。
まとめ
この記事では、フィンランドのユヴァスキュラ大学にある、International Master's Programmeについてご紹介しました。大学院での勉強は大変なことも多く、楽しいことばかりではありません。ですが、このプログラムを選択して本当に良かったと思っています。
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